Backstreet Journey

Tokyo

Tokyo Station

駅の東口を八重洲という。漂着したオランダ人の名前で、もとは西口側の地名だった。1929年にいちど消え、1954年に線路の反対側で復活した。

東京駅は1914年に開業し、辰野金吾が設計した赤レンガの正面がいまも建っています。丸の内側はまっすぐな行幸通りで皇居と向かい合い、八重洲側は高層ビルの壁と地下の街です。ほとんどの人は数分で通り過ぎていきますが、立ち止まる価値のあるもの——干支が8つだけ並ぶ天井、駅員が竹と和紙で作った銀の鈴、首相が襲われた場所を示す2枚のプレート——は、どれも改札から数分のところにあります。

観光スポット

定番

東京駅丸の内駅舎

東京駅丸の内駅舎

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辰野金吾の設計で1914年に完成した、赤レンガの駅の正面です。1945年の空襲で南北のドームと3階を失い、その後60年以上、応急の八角形の屋根のまま使われていました。2012年に創建時の姿へ復原されています。建物は2003年から重要文化財です。

💡 正面全体を見るなら丸の内側の広場から。KITTEや新丸ビルから見下ろすこともできます。ライトアップは21時まで。

皇居外苑と二重橋

皇居外苑と二重橋

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丸の内口から行幸通りをまっすぐ歩くと、突き当たりがお堀です。外苑は黒松の生えた開けた場所で、その先に宮殿の門へ渡る二重橋が見えます。門の内側は年に2日を除いて入れません。

💡 入れるのは1月2日と、天皇誕生日の2月23日の2回だけ。このほか、内側の乾通りが春と秋に9日間ほど公開されます。

東京駅一番街

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八重洲地下中央口に直結する、約100店の地下街です。中に3つの区画があり、東京ラーメンストリート、テレビやゲームのキャラクターの公式店が集まる東京キャラクターストリート、菓子メーカーが出す東京おかしランドが並びます。

💡 地下で、しかも八重洲側です。赤レンガの駅舎を見に丸の内口へ出た人は、まず通りません。

地元の穴場

ドームの干支レリーフ

ドームの干支レリーフ

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復原されたドームの隅に、干支の動物のレリーフが8つ置かれています。それぞれが表す方角に合わせた配置です。足りないのは4つ——北の子、東の卯、南の午、西の酉。ドームが八角形なので、動物を置ける隅が斜めの8方向しかありませんでした。

💡 南北どちらのドームにもあります。切符は要りません。ドームは改札の外、丸の内北口と南口の上です。

銀の鈴

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1968年6月10日に吊るされた、駅の待ち合わせ場所です。乗客助役の関口要之助が「大きな神社鈴を吊るしてはどうか」と提案しました。鈴は昔から人を呼び、注意を促す道具だったからです。初代は駅員が竹と和紙と銀紙で手作りしたもので、直径は約70cm。いまのものは4代目で、2007年10月にグランスタが開業したときに設置されました。

💡 改札の内側、地下1階にあります。列車に乗らない場合は入場券が要ります。

首相が襲われた2か所のプレート

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1921年11月4日、原敬がいまの丸の内南口の改札付近で刺されました。1930年11月14日には浜口雄幸が第4ホームで撃たれ、翌年その傷がもとで亡くなっています。どちらの現場にもプレートが埋め込まれていて、人が一日中その上を歩いていきます。

💡 原敬のほうは改札の外なので誰でも見られます。浜口のほうはホームの中央階段のそばなので、切符が要ります。

KITTEガーデン

KITTEガーデン

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丸の内南口の向かいに建つKITTEの6階にある、約1,500㎡の屋上庭園です。建物と同じ2013年3月に開きました。縁に立つと、赤レンガの駅舎の屋根と、その奥に伸びるホームを見下ろせます。

💡 無料で、平日は23時、土日祝は22時まで。駅舎のライトアップは21時までなので、その直前の時間が狙い目です。

新丸ビル7階のテラス

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飲食フロアに付いたテラスで、駅側に約180度開けています。何も頼まなくても出られて、椅子に座れます。赤レンガの正面を、ちょうど屋根と同じくらいの高さから正面に見ます。

💡 23時まで開いていて、駅舎のライトアップは21時まで。椅子とテーブルがあるのがKITTEの屋上との違いです。

東京ステーションギャラリー

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1988年に駅舎そのものの中、丸の内北口の脇に開いた美術館です。復原にあたって、できるところは創建時の構造をそのまま見せてあるので、壁は1914年の煉瓦と鉄骨がむき出しです。建物自体が重要文化財です。

💡 展示は入れ替わりますが、入る理由は壁のほうです。最上階から降りる階段は、ドームの内側に沿っています。

丸の内仲通り

丸の内仲通り

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皇居側を線路と平行に走る通りで、長さは約1.2km、街路樹が約250本並びます。時間帯によって車を止めて、歩道にテーブルが出ます。この一帯で、どこかへ行くためではなく歩くために作られている数少ない道です。

💡 11月中旬から2月中旬まで、街路樹がシャンパンゴールドに灯ります。週末はオフィスが空になるので、丸の内でいちばん静かな場所にもなります。

グルメ

定番

東京ラーメンストリート

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東京駅一番街の地下1階に、ラーメン店が10軒並んでいます。どれも市内に本店があって固定客を持つ店です。系統が重ならないように選ばれているので、一箇所で食べ比べができます。

💡 昼と19時以降は行列ができます。14時から16時のあいだなら、10軒のほとんどが座れます。

駅弁屋 祭

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改札の内側にある、北海道から九州までの駅弁を150種類以上そろえた店です。平日で1日1万食、休日は1万5000食以上が動きます。朝は5時半から開いています。

💡 地方の弁当から先に売り切れ、昼前に無くなることも多い。買って列車で食べるための店で、駅の中に落ち着いて食べる場所はありません。

この街の記憶

首相が二人襲われた駅

東京駅は1914年12月20日に開業しました。辰野金吾の設計による赤レンガの正面が、丸の内側に三百メートル続きます。

1921年11月4日、平民から初めて首相になった原敬が、政党の大会へ向かうため改札へ歩いていました。中岡艮一という若い鉄道員が、その場で彼を刺しました。九年後の1930年11月14日には、浜口雄幸が第4ホームで撃たれます。その日は持ちこたえましたが、翌年、傷がもとで亡くなりました。

1945年の空襲が、南北のドームと3階を持っていきました。駅は動き続けました。壊れたドームの上には応急の八角形の屋根が架けられ、それが六十年以上そのままでした。一世代が、それこそが東京駅の姿だと思って育つほどの長さです。

復原が終わったのは2012年10月です。ドームは元の形に戻り、干支のレリーフは、残っていた資料と破片の化学分析から作り直されました。

  • どちらの襲撃現場にもプレートがあります。原敬は丸の内南口の改札の外、浜口雄幸は第4ホームの中央階段のそばです。
  • 建物は2003年から重要文化財です。

一年の行事

  1. 1月1月2日

    新年一般参賀

    皇居 宮殿

    皇居の門が開き、橋を渡って内側に入れる、年に2日しかない日のひとつです。午前中に何度か、天皇皇后両陛下が宮殿のベランダに出られます。もう1日は天皇誕生日の2月23日です。

  2. 11月11月中旬〜2月中旬

    丸の内イルミネーション

    丸の内仲通り・行幸通り

    仲通り約1.2kmの街路樹、およそ250本がシャンパンゴールドに灯ります。11月下旬から4週間ほどは、駅と皇居を結ぶ行幸通りの一部にも約3万6000球が並びます。

  3. 11月11月下旬から9日間ほど

    皇居乾通り一般公開

    皇居 乾通り

    皇居の中を通る乾通りが、秋に9日間ほど公開されます。春にも桜に合わせて公開があります。堀の内側を誰でも歩ける、数少ない日です。

日程は年によって動きます。予定を組むときは神社・主催者の案内で確認してください。

泊まる

東京ステーションホテル

東京ステーションホテル

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駅舎の中にあるホテルで、1915年11月2日に56室で開業しました。復原工事のあいだ閉じ、2012年10月3日に150室で再開しています。入っている建物が重要文化財なので、指定を受けた建造物の中で眠ることになります。

1泊約60,000〜150,000円

ブルガリ ホテル 東京

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2023年開業、東京ミッドタウン八重洲の最上層階に位置するブルガリの旗艦ホテル。侘び寂びの美学を深く取り込んだ建築・インテリアは圧倒的で、ニコ・ロミートによるイタリアン「イル・リストランテ」とスパも東京最高峰のひとつ。

スタンダードルームで概ね1泊20万円〜。ピーク時はそれ以上。

主要ターミナルからのアクセス

  • 渋谷から

    約25分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥260品川を回る外回りに乗ります。内回りは新宿・池袋を通る遠回りです。銀座線から丸ノ内線に乗り継げば17分ですが、乗り換えが1回入ります。

  • 新宿から

    約14分 · 乗換なし · JR中央線快速 · ¥260中央線快速は東京が終点なので、乗り過ごす心配がありません。

  • 池袋から

    約17分 · 乗換なし · 東京メトロ丸ノ内線 · ¥210丸ノ内線は東京駅の地下に直結しています。JR山手線の外回りでも24分で着きます。

  • 上野から

    約7分 · 乗換なし · JR京浜東北線 · ¥200快速なら7分。山手線でも8分ほどなので、先に来たほうに乗れば構いません。

  • 品川から

    約7分 · 乗換なし · JR横須賀線 · ¥210東海道線・上野東京ライン・京浜東北線・山手線でも行けます。先に出るものに乗ってください。

  • 成田空港から

    約58分 · 乗換なし · 成田エクスプレス · ¥3,140N'EXは乗り換えなしで東京まで来ます。全車指定席で自由席はありません。安く行くなら総武線快速で、乗り換え1回・約1時間39分・1,410円です。

  • 羽田空港から

    約23分 · 乗換1回 · 東京モノレール → JR京浜東北線 · ¥720浜松町でモノレールからJRに乗り換えます。同じ駅の中なので、乗り換えは短くて済みます。

所要時間は平日昼間の目安、運賃はきっぷの概算です。どちらも変わるので、当日は乗換案内で確認してください。

アクセス

東京駅は東海道新幹線の終点で、東北・上越・北陸の各新幹線の起点でもあります。そのうえに在来線が8路線と、地下鉄の丸ノ内線が入ります。丸の内側と八重洲側は長い地下通路でつながっていて、端から端まで歩くと10分ほどかかります。

ベストシーズン

週末の午前です。ここはオフィス街なので、土日は人が引きます。仲通りは静かになり、赤レンガの前の広場も混みません。屋上庭園にも余裕があります。駅舎そのものを見るなら、ライトアップが消える21時の直前が一番です。

地元のコツ

立ち止まる価値のあるものは、ほとんど改札の外にあります。ドーム、ギャラリー、屋上庭園、仲通り。外にないのは2つだけで、銀の鈴とホームのプレートです。列車に乗らないなら、入場券を買えば数時間は入れます。

地名の由来

八重洲はオランダ人の名前を日本語にしたものです。1600年4月、リーフデ号が豊後——いまの大分に漂着しました。出航時110人のうち、生きていたのは24人。そのうちの2人、ヤン・ヨーステンとイギリス人のウィリアム・アダムスが徳川家康の前に連れて行かれます。ヨーステンは信任され、和田倉門のあたりに屋敷を与えられて、和名の耶楊子(やようす)を名乗りました。屋敷のあった河岸が八代洲河岸(やよすがし)と呼ばれ、それが八重洲になります。1872年、この名がいまの駅の西側に付きました。1929年、その一帯は丸の内と改称され、八重洲は消えます。復活したのは1954年、東側の日本橋呉服橋と槇町が改称されたときでした。名前が線路を渡ったのです。