Tokyo

kita-senju

奥州街道の最初の宿場で、荒川の北側にあたる。芭蕉が北へ発ったのもここだ。西口の飲み屋横丁は、いまも道幅が狭い。

東京の北東、荒川の手前にある街。江戸時代は日光街道の最初の宿場で、いまも旧街道がそのまま商店街になっている。西口の路地には立ち飲みが密に並び、大学がいくつも移ってきたので学生も多い。

観光スポット

定番

千住大橋と隅田川沿いの河川敷

22

松尾芭蕉が1689年に『奥の細道』の旅へと旅立った、隅田川に架かる歴史的な橋。両岸の隅田川テラスの遊歩道は、商店街の喧騒から離れた朝のさんぽに最適です。

💡 北千住駅から南へ徒歩20分ほど、または京成線で千住大橋駅まで一駅。北岸の千住大橋公園にある芭蕉旅立ちの碑とあわせて訪ねるのがおすすめです。

宿場町通り商店街

4

旧日光街道がそのまま商店街になった通り。駅周辺から数百メートルにわたって鮮魚店、豆腐屋、和菓子屋、安い居酒屋が並びます。隣接する千住ほんちょう商店街やサンロード商店街も続きになっています。

💡 平日の午前中は近所の高齢の客が買い物をする時間帯で、店の人と客が立ち話をしているところに出会えます。

柳原稲荷神社

12

商店街のすぐそばにある、地元住民の氏神様。観光客でごった返す有名神社とは異なり、静かで落ち着いた雰囲気が漂います。

💡 受付も授与所もなく、通りがかりの住民がふと手を合わせていくだけの小さな境内です。平日なら数分で参拝が済むほど静かです。

地元の穴場

旧宿場町の路地裏と横山家住宅

9

メイン商店街の裏側に広がる細い路地には、千住宿の名残とともにスナックや小料理屋がひっそり立ち並びます。目印は足立区登録有形文化財の横山家住宅。かつての地漉紙問屋の町家で、日光街道の商家の敷地がどれほど奥行きのある造りだったかがよく分かります。

💡 夕方以降、スナックのネオンが灯り始める時間帯の探索がおすすめ。横山家住宅は外観なら常時見学でき、内部は公開日のみです。

奥の細道 矢立初めの地(芭蕉旅立ちの碑)

21

隅田川北岸の千住大橋公園に立つ小さな石碑。1689年、松尾芭蕉が『奥の細道』の旅に出て最初の一句を詠んだ場所を示しています。北千住を訪れるほとんどの人が、その存在を知らないまま通り過ぎていきます。

💡 北千住駅からは徒歩20分ほどですが、京成線の千住大橋駅からなら数分。碑は小さいので、公園の川側を注意深く探してみてください。

西口の飲み屋横丁(千住二丁目)

西口から数分、千住二丁目周辺の路地には、カウンターだけの極小の居酒屋と立ち飲みがびっしり連なります。「大衆酒蔵 幸楽」や「千住の永見」のような老舗は、平日でも夕方には席が埋まります。

💡 現金のみ・英語メニューなしの店がほとんど。満席でも、隣の店なら空いていることがほとんどです。

荒川河川敷のサイクリングロード(北千住〜綾瀬方面)

駅から東へ10分ほど歩くと荒川の広大な河川敷が開け、綾瀬方面へと下流に向かって遊歩道・サイクリングロードが延びています。観光マップには載らない道で、河川敷のグラウンド、浅瀬で魚を狙うサギ、外周東京の広く平らな空が続きます。

💡 土手には日陰がないので夏は水分を持って。足立側の岸から見る川面の夕暮れが目当てなら、夕方遅めの時間に合わせてください。

グルメ

定番

西口路地の立ち飲みやきとり・やきとん

北千住は「せんべろ」で知られる街で、その中心は西口の路地やサンロード沿いに連なる立ち飲みのやきとり・やきとん店です。串は1本ずつ頼めるので、少しずつ食べ歩けます。

💡 手書きのメニューと、プラスチックケースを椅子にしている店が安い傾向です。串は1本から頼めます。

まじ満(うなぎ)

8

駅から徒歩8分ほどのうなぎ専門店。関東式の、蒸してから焼くふっくらとした鰻を、漆塗りのお重で味わえる。

💡 ランチのほうが夜より抑えられることが多い。月曜定休で、開店直後を狙うと行列を避けられる。

🕐 11:00-14:00 / 17:00-21:00 (Sat & Sun 11:00-21:00), closed Mondays

千住二丁目周辺のホルモン焼き

西口の路地には、煙で壁の黒ずんだホルモン焼き屋が何軒も残っています。「ホルモン焼き 福家」「ホルモン焼肉 縁」などがその代表格。センマイ、テッチャン、タンといった部位を出します。

💡 タレは味噌ダレを選ぶと脂の多い部位との相性が抜群。メニューには「みそだれ」と書いてある場合が多いです。

地元の穴場

駅周辺の昭和の純喫茶

駅から数分の範囲に、昭和の空気をそのまま残す純喫茶が数軒健在です。「喫茶 蔵」や「千住宿 珈琲物語」がその代表格。ベロア張りの椅子と、何十年も変わらない客層が待っています。

💡 英語メニューはまずありません。店によっては午前11時頃までコーヒーにトーストと卵が付く「モーニングサービス」がありますが、有無は店ごとに違うので入口の掲示を確認してください。

この街の記憶

本数が決まらなかった煙突

千住火力発電所には四本の煙突が立っていた。高さ八十三メートル、根元の太さは四メートル半。ふつうなら四本と数えて終わる。ところがこの四本はひし形に配置されていて、立つ場所によって重なり方が変わった。四本に見え、三本に見え、二本に見え、そして一本に見えた。人は「お化け煙突」と呼んだ。

一本に重なって見える方角は決まっていた。旧千住区役所のあたりと、荒川の左岸、本木一丁目の南側。子どもたちは何本に見えるかを確かめに歩き回った。煙突は大正十五年に建ち、三十八年動いて、昭和三十九年に解体された。

解体のあと、煙突は輪切りにされた。幅三メートルほどの輪をU字に切り、足立区立元宿小学校の校庭に滑り台として据えたのである。子どもたちは煙突の内側を滑って降りた。その小学校も二〇〇五年三月に閉じた。切られた部分は、いま帝京科学大学の千住キャンパス、隅田川の堤防の上にコンクリートで再現されて置かれている。数え方が定まらなかったものが、いまは一つに固定されている。

  • 千住火力発電所は東京電力(当時は東京電燈)の発電所で、跡地は帝京科学大学千住キャンパスなどになっている。
  • モニュメントは大学の敷地内にあるが、隅田川沿いの堤防から見える位置にある。

一年の行事

  1. 9月第2〜第3土・日

    千住の秋祭り

    千住神社ほか、千住の各町会

    町会ごとに祭りが行われ、駅前や旧街道沿いの商店街が地口行灯と提灯で飾られる。初日は「宵宮」と呼ばれる。千住神社の例大祭は第2土日にあたり、5年に一度の大祭の年には、千住の町を一日かけて巡行渡御する。

日程は年によって動きます。予定を組むときは神社・主催者の案内で確認してください。

泊まる

ホテル ココ・グラン北千住

6

駅から徒歩6分。周辺のビジネスホテルより一段上の造りで、女性用スパフロアがあり客室も総じて広い。北千住は5路線が乗り入れるため、東京の北東側を巡る拠点として使える。

目安:8,000〜14,000円/泊

スパ&カプセルホテル グランパーク・イン北千住

7

駅から徒歩7分、浴場とサウナのフロアを備えたカプセルホテル。個室より大幅に安く、風呂も申し訳程度のシャワーではなくきちんとした造り。通過するだけの日や終電を逃した夜に現実的な選択肢になる。

💡 一般的なカプセルホテルと違い、男性専用のキャビンフロアに加えて電子セキュリティで区切られた女性専用フロアがあります。予約時にキャビンの種別を確認してください。大浴場、遠赤外線サウナ、岩盤浴あり。

目安:6,000〜10,000円/泊

東京ゲストハウス かがりび

16

千住柳町の路地にある小さなゲストハウス。築50年の空き家を手作りで改装しており、木のぬくもりのある共用スペースがあります。ドミトリーと、3〜4名で使える個室があります。

💡 駅からは住宅街を抜けて徒歩15分ほどなので、遅い時間の帰り道も静かです。ベッド数が少ないので予約は早めに。

ドミトリー1泊3,000円程度/個室(3〜4名)1室11,000〜12,000円程度

主要ターミナルからのアクセス

  • 渋谷から

    約35分 · 乗換1回 (表参道で乗換) · 東京メトロ銀座線 → 東京メトロ千代田線 · ¥260

  • 新宿から

    約34分 · 乗換1回 (西日暮里で乗換) · JR山手線 → 東京メトロ千代田線 · ¥430

  • 東京駅から

    約14分 · 乗換なし · JR上野東京ライン(常磐線直通) · ¥260

  • 上野から

    約9分 · 乗換なし · 東京メトロ日比谷線 · ¥180

  • 池袋から

    約26分 · 乗換1回 (日暮里で乗換) · JR山手線 → JR常磐線快速 · ¥260

  • 品川から

    約33分 · 乗換1回 (上野で乗換) · JR上野東京ライン → 東京メトロ日比谷線 · ¥430

  • 成田空港から

    約69分 · 乗換2回 · 京成スカイライナー → 京成本線 → 東武スカイツリーライン · ¥2,400日暮里でJR常磐線に乗り換える経路もある。運賃を抑えたいときはそちらを調べるとよい。

  • 羽田空港から

    約48分 · 乗換2回 (浜松町と上野で乗換) · 東京モノレール → JR山手線 → JR上野東京ライン · ¥770

所要時間は平日昼間の目安、運賃はきっぷの概算です。どちらも変わるので、当日は乗換案内で確認してください。

アクセス

北千住駅は5路線が乗り入れる東京有数の乗り換え拠点です。東京メトロ日比谷線・千代田線(都心から約20〜30分)、東武スカイツリーライン(浅草・日光方面)、つくばエクスプレス(秋葉原まで約12分)、JR常磐線が利用可能。全線でSuica・PASMOが使えます。

ベストシーズン

年間を通じて楽しめる街ですが、春(3〜4月)は隅田川沿いの桜が美しく、夏(8月お盆前後)は商店街周辺で縁日や屋台が出にぎわいます。ゴールデンウィーク(4月下旬〜5月上旬)は地元の人が戻り商店街が特に混雑するため、静かに散策したい場合は避けるのが無難です。

地元のコツ

北千住は駅の東西で街の性格がまったく異なります。西口側が商店街・居酒屋の下町エリア、東口側は静かな住宅街と大学カフェのエリアです。観光客の大半は西口しか見ませんが、改札を通り抜けて東口も探索すると、また違う北千住の顔に出会えます。

地名の由来

千住は奥州街道の最初の宿場だった。名の由来には諸説あり、勝専寺に伝わる千手観音によるという説と、戦国期にこの地にいた千葉氏によるという説がある。北千住はその千住のうち、荒川より北側を指す。