
大圓寺
4分行人坂の途中にある天台宗の寺。寛永年間に湯殿山の行者・大海が開いたと伝わり、坂の名もその行者たちに由来する。斜面に520躯の石仏が段になって並ぶ。1772年の行人坂火事の犠牲者を悼んで天明年間に造られたもので、東京都指定有形文化財。ひとつずつ顔が違う。
💡 駅から行人坂を下って徒歩4分。石仏群は山門を入ってすぐの斜面にある。
Tokyo
駅を出ると道が落ちる。目黒の名を持つものは、みな坂の下にある
目黒駅から西へ向かう道は、二本ともいきなり下る。北側の行人坂は約150メートルで勾配15.6%、南側の権之助坂は幅の広い商店街になっていて、どちらも目黒川へ下りていく。駅は台地の上にあり、住所は品川区上大崎。目黒区との境は駅の西100メートルほどの崖の上を通っている。地名のもとになった目黒不動も、区内最古と伝わる大鳥神社も、坂を下りて川を渡った先にある。1772年、その坂の途中の寺から出た火が、坂を上って江戸へ広がった。
定番

行人坂の途中にある天台宗の寺。寛永年間に湯殿山の行者・大海が開いたと伝わり、坂の名もその行者たちに由来する。斜面に520躯の石仏が段になって並ぶ。1772年の行人坂火事の犠牲者を悼んで天明年間に造られたもので、東京都指定有形文化財。ひとつずつ顔が違う。
💡 駅から行人坂を下って徒歩4分。石仏群は山門を入ってすぐの斜面にある。

江戸五色不動のひとつで、地名の由来にもこの不動尊を挙げる説がある。参道から本堂までは長い石段を上る。境内の裏手にはサツマイモを広めた青木昆陽の墓があり、国の史跡に指定されている。駅から坂を下って川を渡り、南西へ歩いた先にある。
💡 9時〜16時30分。駅から徒歩16分。毎年10月28日に甘藷まつりが開かれる。

1933年に建てられた旧朝香宮邸を、そのまま美術館にしたもの。フランスに滞在した朝香宮夫妻がアール・デコの意匠を持ち込んでおり、正門の鉄扉や室内の装飾に当時の仕事が残っている。庭園も公開されている。駅の東側、白金台寄り。
💡 10時〜18時、月曜休館。駅から徒歩7分。展示替えの期間は建物のみの公開になることがある。
地元の穴場

目黒駅の西側から目黒川へ下る坂。坂の部分は約150メートル、勾配15.6%とかなり急である。名は、寛永のころ大円寺を開いた行者たちが住みついたことによると伝わる。1772年の大火はこの坂を上って江戸へ広がった。下りきると太鼓橋に出る。
💡 駅から徒歩4分。下りは楽だが、帰りは同じ坂を上ることになる。

行人坂を下りきった雅叙園の敷地に、井戸の跡が残っている。八百屋お七の恋人だった吉三は、お七の死後に出家して西運と名乗り、明王院の井戸で水垢離をしてから行脚に出たと伝わる。その明王院は1880年ごろまでこの一帯にあった。
💡 雅叙園の敷地内。石組みと標識が残るだけの小さなもので、見落としやすい。

寄生虫だけを扱う博物館。標本と資料が二階建てにまとめられており、入館は無料。目黒通り沿いの目立たない建物だが、ほかに例のない収蔵内容で、外国人旅行者の来館が多い。駅からは坂を下って南西へ15分ほど。
💡 10時〜17時、月曜・火曜休館(祝日の場合は翌平日)。入館無料。駅から徒歩15分。

目黒通りと山手通りが交わる角に建つ神社。社伝では大同元年(806年)の社殿造営とされ、区内では最も古い。11月の酉の市は、1835年に下目黒の造り酒屋が浅草から熊手を取り寄せたのが始まりと伝わり、都内では数少ない江戸から続くもの。
💡 社務所は9時〜16時(12時30分〜13時30分は休み)。駅から徒歩12分。目黒不動尊へ向かう道の途中にある。

行人坂を下りきったところで目黒川に架かる橋。江戸期にあった石橋は名のとおり反り橋で、広重が「目黒太鼓橋夕日の岡」に描いている。いまの橋はコンクリートの平らな橋で、たもとに石の銘板が残る。
💡 駅から徒歩7分。川沿いは桜並木で、春は人が多い。
定番

権之助坂へ下りる途中にあるとんかつ屋。目黒では最も知られた店のひとつで、夕方から夜のみの営業。行列ができることが多い。
💡 16時〜21時、火曜定休。駅から徒歩3分。
権之助坂を下りた先、ビルの地下にある焼肉店。和牛とワインを合わせる構成で、席数は多くない。
💡 17時〜22時30分。駅から徒歩7分。地下なので通りからは看板を探す。

目黒通り沿いの二階にあるハンバーガー店。ランチとディナーで営業時間が分かれており、夜は通りに面した看板に灯りが入る。
💡 ランチは11時から。駅から徒歩4分。二階なので通りからは看板を探す。
地元の穴場

目黒駅から西へ下る権之助坂に沿った商店街。坂の両側に飲食店が続き、下りきるまで途切れない。夕方から灯りが入り、アーケードの看板が点く。
💡 坂の入口までは駅から3分ほど。帰りは上りになる。
大円寺の境内に入ると、斜面に石仏が並んでいる。五百二十躯。釈迦三尊が三躯、十大弟子が十躯、十六羅漢が十六躯、あとの四百九十一躯が羅漢である。近づくと、顔がひとつずつ違うことがわかる。これらは天明年間、一七八〇年代に造られた。何かを記念したのではない。十年ほど前にこの寺から出た火で死んだ人々を悼むためのものである。
明和九年二月、大円寺から火が出た。火は行人坂を上った。坂は台地へ上がる道で、上がりきればそこは江戸である。風に乗った火は北東へ広がり、日本橋を越えて千住にまで達した。明暦の大火、文化の大火とともに江戸の三大火に数えられる。犠牲者の数は資料によって食い違うので、ここには書かない。幕府はこの寺の再建を許さなかった。火元だったからである。大円寺が建て直されるのは嘉永元年、薩摩藩主・島津斉興の帰依を得てからで、火事から七十六年が過ぎていた。
坂はいまも同じ勾配で下っている。上りきったところに駅ができ、下りたところに川が流れ、途中の斜面に石仏が並ぶ。かつて火を江戸へ運んだ地形は、いまはただ、歩く人の息を切らせるだけである。坂を下れば目黒不動があり、大鳥神社があり、目黒の名を持つものはみなその先にある。
目黒駅前商店街
落語「目黒のさんま」にちなんだ祭り。目黒駅前商店街振興組合の青年部が主催し、岩手県宮古から届いたさんまを炭で焼いて無料で配る。落語の寄席も立つ。なお秋には目黒区側でも「目黒区民まつり」で焼きさんまが配られる。名前が似ているが主催も会場も別の行事なので、日程を取り違えないようにしたい。
目黒不動尊 瀧泉寺
本堂の裏手に墓のある青木昆陽をしのぶ行事。昆陽はサツマイモの栽培法を広め、飢饉への備えとして関東に定着させたことから「甘藷先生」と呼ばれた。命日は10月12日だが、寺の縁日にあたる28日に行われる。境内にはさつまいもや大学芋の店が並ぶ。
大鳥神社
11月の酉の日に立つ市。1835年に下目黒の造り酒屋が浅草から熊手を取り寄せたのが始まりと伝わり、都内では数少ない江戸から続くもの。朝から夜まで露店が並び、夜は社殿で太々神楽と熊手の舞が奉納される。酉の日は年によって二回のことも三回のこともある。
日程は年によって動きます。予定を組むときは神社・主催者の案内で確認してください。

行人坂を下りきったところに建つホテル。1935年の木造建築「百段階段」が東京都指定有形文化財として残る。2025年9月末で「ホテル雅叙園東京」としての営業を終えて休館し、2026年7月27日に「雅叙園東京」として営業を再開した。
💡 駅から徒歩5分。百段階段を一般公開しているかは確認できていないので、見学が目的なら先に問い合わせること。敷地内にお七の井戸がある。
渋谷から
約5分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥200
新宿から
約12分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥210
東京駅から
約21分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥260山手線は外回り(品川・渋谷方面)に乗ること。内回りだと反対回りになり、倍以上かかる。
上野から
約29分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥260こちらも外回り(東京・品川方面)。内回りで池袋・新宿を回ると遠回りになる。
池袋から
約21分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥260池袋からは逆に内回り(新宿・渋谷方面)に乗る。
品川から
約8分 · 乗換なし · JR山手線 · ¥200大崎・五反田を挟んで3駅。
成田空港から
約117分 · 乗換1回 · 京成アクセス特急 → JR山手線 · ¥1,820成田エクスプレスは目黒に停まらない。アクセス特急は都営浅草線・京急を経由して品川まで直通するので、乗り換えは品川の1回で済む。
羽田空港から
約34分 · 乗換1回 · 東京モノレール(空港快速) → JR山手線 · ¥730モノレールで浜松町まで出て、JR山手線の外回りに乗り換える。
所要時間は平日昼間の目安、運賃はきっぷの概算です。どちらも変わるので、当日は乗換案内で確認してください。
目黒にはJR山手線のほか、東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線が乗り入れる。地下鉄の二路線は目黒が終点で、そのまま東急目黒線へ直通するため、白金台・白金高輪方面と武蔵小山・日吉方面が乗り換えなしでつながっている。山手線は内回りと外回りで所要時間がまったく変わる。東京・上野・品川からは外回り、池袋・新宿・渋谷からは内回りで、逆に乗ると反対側を大回りすることになる。行人坂・権之助坂・雅叙園は駅の西側、東京都庭園美術館は反対の東側にある。
寺社はいずれも夕方に閉まる。目黒不動尊は9時から16時30分、大鳥神社の社務所は16時まで。目黒寄生虫館は10時から17時で月曜と火曜が休館、東京都庭園美術館も月曜が休館なので、月曜に来ると回れる場所がかなり減る。権之助坂の商店街は日が落ちてから灯りが入り、飲食店が動き出す。坂の下の目黒川沿いは桜並木で、その時期だけ人出がまったく違う。秋は行事が続く。9月のさんま祭り、10月28日の甘藷まつり、11月の酉の市がある(下の「一年の行事」参照)。
高低差を前提に予定を組みたい。目当ての場所はたいてい坂の下にあるので、行きは下り、帰りは上りになる。目黒不動尊・目黒寄生虫館・大鳥神社は駅から12分から16分、いずれも同じ南西の方向にまとまっているので、まとめて歩くほうがよい。雅叙園東京は2025年9月末で「ホテル雅叙園東京」としての営業を終えて休館し、2026年7月27日に営業を再開している。東京都指定有形文化財の「百段階段」を一般公開しているかは確認できていないので、見学が目的なら先に問い合わせたほうがよい。
由来には諸説ある。目黒区史では、馬を意味する「め」と畔を意味する「くろ」から来たとする馬畔説を有力としている。窪地と嶺を指す地形説、目黒不動によるとする説などもあり、定説はない。