Tokyo

kameido

亀島は、川口に土砂が積もってできた島で、亀の形をしていたという。水路はとうに埋まり、残っているのは名前だけだ。

隅田川の東に広がる下町。亀戸天神社の藤と梅、餃子の店、シャッターの残る商店街がある。隣の錦糸町のような大きな商業施設は無く、駅前から数分歩けば住宅と町工場になる。

観光スポット

定番

亀戸天神社

亀戸天神社

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学問の神様・菅原道真を祀る東京屈指の名社。心字池に映る太鼓橋の風景は何度見ても飽きません。4月下旬の藤まつりには房状の藤が咲き乱れ、都内随一の花見スポットとして多くの人が訪れます。

💡 藤まつり期間中は週末の昼間が非常に混雑します。平日の朝8時台に来ると境内が空いており、藤棚を独り占めできることも。入場無料です。

十三間通り商店街

十三間通り商店街

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亀戸駅北口から北へ延びる商店街。飲食店や飲み屋が中心で、そのあいだにパン屋や菓子店が点在している。近年はカフェも増えたが、昭和の商店街の空気はしっかり残っている。

💡 土曜の午前中が最もにぎわう。観光客向けではなく、地元の人が普段使いする通り。

亀戸梅屋敷

亀戸梅屋敷

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歌川広重の浮世絵にも描かれた梅の名所「梅屋敷」にちなむ観光・買い物施設。江戸情緒を感じる土産物店や休憩処が並び、亀戸天神とあわせて巡るのに便利です。

💡 天神様から少し足を延ばす価値あり。浮世絵ファンには特におすすめです。

地元の穴場

旧中川水辺公園

旧中川水辺公園

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旧中川沿いに整備された水辺公園で、亀戸駅から徒歩20分ほど。観光客はほぼ訪れず、地元の方のジョギングや家族のピクニックの場になっている。早春の河津桜が美しく、花見シーズンでも混雑しない。

💡 コンビニで弁当を買って水辺で食べるのが、この場所の地元流の使い方。

亀戸香取神社

亀戸香取神社

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亀戸天神から徒歩5〜6分の神社。「スポーツ振興の神」として知られ、プロの選手や部活動の学生が必勝祈願に訪れます。天神ほど参拝者は多くありません。

💡 亀戸天神とセットで巡る参拝ルートが定番です。

亀戸のレトロな飲み屋横丁

亀戸のレトロな飲み屋横丁

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「十三間通り商店街」の裏手には、立ち飲みや串焼きの店が数えきれないほど点在しています。1970年代から変わらない空気感で、地元の常連たちが昼から一杯やっている、観光ガイドには載らない社交場です。

💡 多くの店は夕方5時頃から開く。小さな赤提灯が目印。

心字池・太鼓橋の早朝撮影スポット

心字池・太鼓橋の早朝撮影スポット

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心字池は亀戸天神社の境内にある池。無風の朝は太鼓橋が水面に映り、鳥居の向こうにスカイツリーが入る構図も取れます。平日の朝6時台なら人影はまばらです。

アトレ亀戸 屋上庭園「そらいどひろば」

アトレ亀戸 屋上庭園「そらいどひろば」

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亀戸駅直結の駅ビル「アトレ亀戸」の屋上庭園。7〜8階の芝生とウッドデッキから、間近にスカイツリーを望めます。買い物ついでに立ち寄れる無料の展望スポットです。

亀戸七福神めぐり

亀戸七福神めぐり

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3つの神社と3つの寺院、計6箇所をたどる七福神めぐり。香取神社に恵比寿神と大国神の二柱が祀られているため、6箇所で七福神が揃う。参拝を含めて約1時間30分。亀戸水神駅から常光寺(寿老人)、東覚寺(弁財天)、天祖神社(福禄寿)、龍眼寺(布袋尊)、普門院内の毘沙門堂(毘沙門天)、香取神社(恵比寿神・大国神)と歩き、亀戸駅で終わる。沿道にはスカイツリーのビュースポットやレトロな商店街があり、江戸の信仰と現代の東京を一度に体験できる。

💡 常光寺または香取神社から順に回るのが効率的。正月(元旦〜1月7日頃)には「亀甲七福神あわせ」という絵あわせが楽しめる。ご開帳の終了日は社寺により異なる。

竪川河川敷公園

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首都高速7号小松川線の高架下を利用した、全長約2.4kmの細長い公園。高架が屋根がわりになるので夏でも日陰で涼しく、雨の日もしのげる。運動施設や遊具も点在している。観光地というより、地元の人が実際に腰を下ろしに来る実用的な場所。JR亀戸駅から徒歩約10分。

💡 夏場の散策途中、涼みながら一息つくのにちょうどいい。

グルメ

定番

亀戸餃子

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亀戸を代表する餃子の老舗。薄皮の焼き餃子で、メニューは餃子・ビール・ライスのみ。

💡 昼と夜のピーク時は行列ができるが、回転が早いので長くは待たない。

うなぎ 小泉

うなぎ 小泉

亀戸駅の北口から亀戸天神社の方へ歩く途中にあるうなぎ屋。角に「うなぎ」の行灯看板が出ていて、その下の提灯には「うなぎ」と「すっぽん」が並ぶ。鰻は毎朝さばく国産で、タレは甘さを抑えたもの。参拝や祭事の行き帰りに寄る地元の客が多い。

💡 駅の北口から徒歩5分ほど。暗くなって看板と提灯に灯が入ると、角にあるので遠くからでも分かる。

船橋屋のくず餅

船橋屋のくず餅

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1805年創業、亀戸天神境内で生まれた発酵和菓子「くず餅」の元祖・船橋屋。無添加製法は今も変わらず、東京土産の定番として愛されています。

💡 店舗にはイートインの席があり、持ち帰らずその場で食べることもできる。

地元の穴場

下町ホルモン焼き(亀戸ホルモン・吉田屋・青木)

下町ホルモン焼き(亀戸ホルモン・吉田屋・青木)

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亀戸には昔から労働者の街としての歴史があり、安くて旨いホルモン焼き店の文化が根付いています。「亀戸ホルモン」「吉田屋」「青木」など、炭火で内臓系の部位を焼く名店が今も点在し、都心では考えられない価格で楽しめます。

💡 英語メニューはほぼありませんが、『おすすめは何ですか?』と聞けば店主が案内してくれます。ビール片手に気軽に楽しむのが亀戸スタイルです。

天神せんべい 大木屋(手焼きせんべい)

天神せんべい 大木屋(手焼きせんべい)

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亀戸天神の参道沿いにある、明治40年創業のせんべい屋。定番の醤油せんべいのほか、天神=学問の神様にちなんだ「合格煎餅」を売っている。数分の距離には、昭和2年に押上で創業し昭和24年に亀戸へ移ってきた「おしあげ煎餅本舗」もある。

💡 予約すれば店頭で手焼き体験ができる(3枚・前日17時までに要予約・1回6名まで)。生地と自家製の醤油だれが入った自宅用キットも扱っている。

この街の記憶

写しの、写し

地名は地形の化石である。ここはかつて亀島といった。古代の利根川の河口に土砂が積もってできた洲で、たまたま亀の形をしていた。さらに土砂が寄せて水路が埋まり、島は島でなくなった。集落は亀村と呼ばれ、やがて近くにあった名井「亀ヶ井」と名前が混ざって亀井戸となり、のちに「井」の字が落ちて亀戸になった。亀も水も、言葉の中にはまだ残っている。景色の中にはもう無い。

一六四〇年代、九州の太宰府天満宮の神官で、菅原道真の末裔でもあった菅原大鳥居信祐が、天神信仰を広めるために諸国を巡り始めた。一六六一年(寛文元年)、この村にたどり着き、道真ゆかりの飛梅で彫った天神像を、元からあった小さな祠に祀った。翌年、残りを造る。それも、写しとして造った。地形から始まって、社殿、楼門、心字池、あの急な太鼓橋まで、境内の結構すべてを、千キロ離れた太宰府に倣って造営したのである。長らくこの社は「東宰府天満宮」と呼ばれていた。

そして写しは、また写された。一八五七年、広重が『名所江戸百景』にこの境内を描く。手前に藤の花が垂れ、その奥に太鼓橋が反っている構図だ。日本の版画を集めていたモネは、この種の絵から橋を得たとされる。彼はジヴェルニーの庭に太鼓橋を造らせ、生涯それを描き続けた。九州の橋が江戸で建て直され、ノルマンディーでもう一度建て直されたことになる。ひとつだけ、写しに従わなかったものがある。太宰府は梅の地で、ここの神像も梅の木から彫られたのに、亀戸が名所になったのは藤だった。いまその橋に立つと、花の向こうにスカイツリーが入る。

  • 亀戸天神社の創建は1662年。太宰府天満宮に倣って境内が造営された。
  • 広重の絵は『名所江戸百景』の「亀戸天神境内」、1857年の作。

一年の行事

  1. 1月24日・25日

    鷽替え神事

    亀戸天神社

    木彫りの鷽(うそ)を毎年新しいものと取り替え、前の年にあった凶事を「嘘」にして、幸運と取り替えてもらう神事。25日は初天神にあたり、神楽殿で里神楽が奉じられる。

  2. 2月上旬〜3月上旬

    梅まつり

    亀戸天神社

    境内の梅がひらく時期。太宰府にならって造られた社なので、本来この社の花は梅である。藤の時期ほど混まず、静かに歩ける。

  3. 4月下旬〜5月上旬

    藤まつり

    亀戸天神社

    心字池の上に藤棚が垂れ、太鼓橋との組み合わせが都内屈指といわれる。期間中は日没から夜まで境内がライトアップされる。

  4. 5月5日

    勝矢祭

    亀戸香取神社

    甲冑姿およそ200人の武者行列が、亀井院から香取神社までの約2kmを2時間かけて練り歩く。天慶2年(939年)、平将門の乱を鎮めた藤原秀郷が弓矢を奉納し「勝矢」と名づけた故事による。

  5. 8月上旬の日曜

    例大祭

    亀戸香取神社

    町会ごとの神輿と山車が氏子の区域を回る。担ぎ手の半纏が通りを埋め、水をかけながら進む。祭りの日は蔵前橋通り沿いの雰囲気が一日だけ変わる。

  6. 8月25日前後

    例大祭・献灯明

    亀戸天神社

    4年に一度の大祭では、菅原道真の御霊を乗せた御鳳輦が氏子の町を巡り、町会25基の神輿が連なって宮入りする。夜の境内には神前から分けられた1000個以上の灯明がともる。

  7. 10月下旬〜11月中旬

    菊まつり

    亀戸天神社

    丹精された菊の鉢が境内に並ぶ。梅・藤に比べて訪れる人が少なく、参道をゆっくり見て回れる時期。

日程は年によって動きます。予定を組むときは神社・主催者の案内で確認してください。

夜の街

夜の亀戸天神通り商店街

亀戸天神の参道にあたる、蔵前橋通り沿いの商店街。日が落ちると店先の提灯と看板の灯りが通りを両側から照らし、昼間の生活感のある顔つきが、やわらかい光に包まれた別の表情に変わる。

参拝を終えて駅へ戻る道すがら、ゆっくり歩いてみたい時間帯。

亀戸天神の境内越しに見るスカイツリー

天神様の鳥居や太鼓橋の向こうに、ライトアップされたスカイツリーが立つ。数百年の隔たりがある二つのものが一つの視界に収まる、亀戸ならではの新旧の対比。

4月下旬の藤まつりの期間は、日没から21時まで境内がライトアップされる。夜に見るならこの時期が確実。

泊まる

ザ・ワンファイブ東京亀戸

ザ・ワンファイブ東京亀戸

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2025年開業、亀戸駅北口から徒歩4分の全144室のホテル。11階テラスからのスカイツリー眺望が評判で、下町散策の拠点に便利です。

1泊あたり約8,000〜16,000円(目安)

天神社周辺のゲストハウス・民泊

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天神社の周辺に、古民家や町家を活用した小規模なゲストハウスが少数存在します。早朝の境内を散歩して、朝一番で餃子屋に並ぶ、そんな下町暮らし体験ができる宿です。

1泊あたり約5,000〜9,000円(目安)。空き状況は時期により変動するため各予約サイトで要確認。

主要ターミナルからのアクセス

  • 渋谷から

    約37分 · 乗換1回 (秋葉原で乗換) · JR山手線 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥350

  • 新宿から

    約27分 · 乗換なし · JR中央・総武線各駅停車 · ¥260

  • 東京駅から

    約15分 · 乗換1回 (錦糸町で乗換) · JR総武線快速 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥210

  • 上野から

    約19分 · 乗換1回 (秋葉原で乗換) · JR山手線 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥210

  • 池袋から

    約30分 · 乗換1回 (御茶ノ水で乗換) · 東京メトロ丸ノ内線 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥410

  • 品川から

    約23分 · 乗換1回 (錦糸町で乗換) · JR横須賀線・総武線快速 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥260

  • 成田空港から

    約90分 · 乗換1回 (日暮里で乗換) · 京成本線特急 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥1,100

  • 羽田空港から

    約46分 · 乗換2回 (浜松町と秋葉原で乗換) · 東京モノレール → JR山手線 → JR中央・総武線各駅停車 · ¥730亀戸に停まるのは総武線の各駅停車だけ。快速で来ると錦糸町で乗り換えることになる。

所要時間は平日昼間の目安、運賃はきっぷの概算です。どちらも変わるので、当日は乗換案内で確認してください。

アクセス

亀戸はJR総武線各駅停車で錦糸町から1駅(約3分)、秋葉原からは約15分。東武亀戸線も乗り入れているが、この路線は曳舟〜亀戸間の折り返し運転のみで、浅草への直通は無い。浅草方面から来る場合は、都営浅草線か東武スカイツリーラインで押上へ出て、亀戸線に乗り換えるのが実際のルートになる。亀戸天神社は北口から徒歩約8分。

ベストシーズン

藤の時期はとにかく朝が勝負で、開門直後の8時ごろなら藤棚も太鼓橋も人を入れずに見られるが、昼を過ぎると橋の上は順番待ちになる。同じ時期は日没から夜まで境内が照らされるので、朝と夜で二度見る手もある。夏の祭りは日中の暑さが厳しく、神輿を追うなら夕方から動くほうがいい。行事のない平日の朝がいちばん亀戸らしく、参道も商店街も生活の速度で動いている。

地元のコツ

天神社・商店街・餃子店・旧中川はすべて駅から歩ける範囲にあり、亀戸は歩いて回るのが一番いい。定休日は店ごとに異なるので、特定の一軒を目当てに行くなら事前に確認を。

地名の由来

古代の利根川の河口に土砂が積もってできた島が亀島と呼ばれ、のちに周囲と陸続きになって亀村となった。これが近くにあった「亀ヶ井」という井戸の名と混同されて亀井戸となり、「井」が落ちて亀戸になったと伝わる。