Tokyo

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銀幕の街だった下町。羽田への乗換駅として今も動き続ける

写真 Doricono / Unsplash

蒲田は大田区の中心にある下町で、1920年から1936年まで松竹キネマの撮影所を抱え、日本映画の一大拠点だった。江戸期には梅の名所「蒲田梅屋敷」としても知られた。今はJR京浜東北線・東急池上線・東急多摩川線が集まる乗換駅で、羽田空港へ向かう京急蒲田駅とは別の場所にある。

観光スポット

定番

蒲田八幡神社

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蒲田駅から徒歩圏内にありながら、境内に入ると駅前の喧騒が気にならないほど広々とした神社。

かまたえん

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駅ビルの屋上にある小さな観覧車。都心にはほとんど残っていない屋上遊園地のレトロな雰囲気が特徴。

西蒲田公園

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線路沿いにある公園で、ブロンズ像や遊具、駐輪場、レンタサイクルの拠点もある。地元の生活に根づいた実用的な公園。

地元の穴場

松竹蒲田撮影所跡(大田区民ホール・アプリコ)

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1920年から1936年まで松竹の撮影所があった場所。いまは区民ホールが建つ。地下1階に撮影所の模型、1階エントランスに撮影所前へ架かっていた松竹橋の親柱がある。館の前の親柱と欄干は1986年の映画『キネマの天地』の撮影で作られた複製。

💡 駅から徒歩5分。展示はロビーと地下にあり、催しの状況で入れる範囲が変わる。見学が目的なら先に確認したい。

聖蹟蒲田梅屋敷公園

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文政年間、道中の常備薬「和中散」を売る山本久三郎が敷地に梅を植え、東海道を行く旅人のための休み茶屋を開いたのが始まり。梅の名所となり広重も描いた。明治天皇の行幸が九度あり、1873年の観梅の際に自ら植えた梅から「聖蹟」の名がつく。いまは細長い区立公園。

💡 駅から徒歩17分と離れている。京急線の梅屋敷駅からのほうが近い。梅は2月から3月。

グルメ

定番

この街の記憶

音のいらなかった街

一九二〇年、蒲田村にあった化学研究所の跡地九千坪を松竹が買い、撮影所を建てた。候補地はほかにもあった。井の頭公園のあたり、国府津の海岸、大宮公園、鶴見の花月園。蒲田に決まった理由は、交通が便利だから、という実務的なものである。建てた撮影棟は二種類で、片方は屋根がガラス張りだった。当時の映画に音はなく、要るのは光だけだった。晴れた日に屋根から日が差せば、それで撮影ができた。

十六年後、一九三六年一月十五日に撮影所は閉じ、大船へ移る。理由は音だった。映画が音を持ったとたん、それまで誰も気にしなかった街の音が、フィルムに録れてしまうようになった。そのころの蒲田は町工場の街になっていた。満州事変のあと軍需の工場が増え、撮影所の近所にあった新潟鉄工所ではディーゼルエンジンを作っていた。その音が決定的だったと伝わる。街が育ったことが、撮影所を追い出したのである。

跡地には大田区民ホール「アプリコ」が建っている。地下には撮影所の模型があり、入口には撮影所前に架かっていた松竹橋の親柱が置かれている。建物の前にも同じ形の親柱と欄干があるが、こちらは複製で、一九八六年の映画『キネマの天地』の撮影のために作られたものである。撮影所を撮った映画の小道具が、撮影所の跡地に立っている。そして大田区はいまも町工場の街で、あのとき撮影を邪魔したのと同じ種類の音を、出し続けている。

  • 松竹蒲田撮影所は1920年6月開所、1936年1月15日閉鎖。東京府荏原郡蒲田村の中村化学研究所跡地9,000坪と煉瓦造りの事務所1棟を買収して建てられた。
  • 候補地は井の頭公園付近・国府津海岸付近・大宮公園付近・鶴見花月園付近などで、交通が便利という理由で蒲田に決まった。出典: 松竹。
  • 屋根をガラス張りにしたグラスステージ(自然光)と、人工光線のみのダークステージを1棟ずつ建設した。
  • 大船移転の直接の原因はトーキー化にともなう騒音問題。満州事変以後に軍需工場が増え、撮影所の近所にあった新潟鉄工所のディーゼルエンジン製作の音がひどかったと伝わる。経営上の理由(増資未払い分の徴収の口実)も背景にあったとされる。
  • 跡地は大田区民ホール・アプリコ。地下1階に撮影所の模型、1階エントランスに松竹橋の親柱。館前の親柱と欄干は1986年の映画『キネマの天地』の撮影で使われた複製。出典: 大田区。

一年の行事

  1. 6月第1金・土・日

    例大祭

    六郷神社

    六郷十四町会から四十基ほどの神輿が出る。土曜に獅子舞、日曜に渡御という順で、かつては「引舟祭」と呼ばれ関東三大船祭のひとつに数えられた。神社は蒲田駅の目の前ではなく、京急線で南へ数駅、六郷土手が最寄りになる。

日程は年によって動きます。予定を組むときは神社・主催者の案内で確認してください。

泊まる

アパホテル〈京急蒲田駅前〉

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京急蒲田駅前のホテル。羽田空港へのアクセスを重視する旅行者に使われている。名前の通りJR蒲田駅ではなく京急蒲田駅が最寄り。

価格帯はシーズンにより変動。予約サイトで要確認

主要ターミナルからのアクセス

  • 渋谷から

    約29分 · 乗換1回 (品川で乗換) · JR山手線 → JR京浜東北線 · ¥260

  • 新宿から

    約37分 · 乗換1回 (品川で乗換) · JR山手線 → JR京浜東北線 · ¥350

  • 東京駅から

    約24分 · 乗換なし · JR京浜東北線 · ¥260

  • 上野から

    約32分 · 乗換なし · JR京浜東北線 · ¥350

  • 池袋から

    約40分 · 乗換1回 (品川で乗換) · JR山手線 → JR京浜東北線 · ¥440

  • 品川から

    約9分 · 乗換なし · JR京浜東北線 · ¥210

  • 成田空港から

    約97分 · 乗換2回 (日暮里と品川で乗換) · 京成スカイライナー → JR山手線 → JR京浜東北線 · ¥3,010

  • 羽田空港から

    約36分 · 乗換1回 (天空橋で乗換) · 東京モノレール → 京急空港線 · ¥360この経路は「京急蒲田駅」に着く。JR蒲田駅とは徒歩約10分離れた別の駅なので注意。モノレールとJR京浜東北線を乗り継ぐとJR蒲田駅に着くが、772円と倍以上かかる。

所要時間は平日昼間の目安、運賃はきっぷの概算です。どちらも変わるので、当日は乗換案内で確認してください。

アクセス

JR蒲田駅にはJR京浜東北線、東急池上線、東急多摩川線が乗り入れる。羽田空港方面の京急本線・エアポート急行に乗るには「京急蒲田駅」まで移動する必要があり、JR蒲田駅とは徒歩約10分・750〜800mほど離れた別の駅である。乗り換え時間には余裕を持つとよい。

ベストシーズン

駅ビル屋上のかまたえんは日中の営業。食堂やビストロは地元利用が中心のため、夜は早めの時間から賑わう店もある。

地元のコツ

「蒲田駅」と名のつく駅が2つある(JR・東急の蒲田駅と、京急蒲田駅)ことを覚えておくと、乗り換えで迷わない。羽田空港へ向かうなら京急蒲田駅への移動時間を計算に入れる。

地名の由来

由来には諸説ある。泥深い田を意味する「かまた」からという説、蒲(がま)の生える田だったからという説、湿地に浮かぶ島を指すアイヌ語からという説などがあり、定説はない。いずれも水気の多い低地だったことを指している。